ABPの限界を超える新時代 ― Unreal Animation Framework (UAF)とは?

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Unreal Engineの今後を理解するうえで重要な講演が公開されましたのでぜひ見ましょう!

『The Witcher 4』のUnreal Engine技術デモで披露された“Unreal Animation Framework (UAF)”が、ゲームアニメーションの常識を根本から覆そうとしています。

これまでのAnimation Blueprint(ABP)は、シングルスレッド時代の設計を引きずり、多数のキャラクターを同時に動かすには限界がありました。
しかしUAFは「使用する機能にだけコストを支払う」という新思想のもと、ゼロから再設計。

結果として、『The Witcher 4』デモでは300体以上のNPCがControl Rigやモーションマッチング付きで60FPS動作という驚異的な結果を実現しています。

本記事では、Unreal Fest Orlando 2025で発表された公式情報をもとに、UAFの革新性と今後のワークフローへの影響をわかりやすく解説します。

よっしー
よっしー

次世代のアニメーション制御フレームワーク、その名も「Unreal Animation Framework」(そのまんまやし、その次の世代の時どう名前つけるのw)すごく重要そうな話ですね

ということで英語ですが字幕でもぜひチェックしてほしいです。

忙しい人のためのよっしー的日本語要約

上図は動画本編より引用

Animation Blueprints (ABP)は、11年経過し、現在の多コアCPUや数千人規模のプレイヤーを想定したオープンメタバースといった課題に対応することが難しくなってきた
この課題に正面から挑むために開発されたのが、Unreal Animation Framework (UAF)。
UAFは「使用する機能に対してのみ対価を支払う」という設計思想に基づき、高パフォーマンスのためにゼロから構築された

桁違いのパフォーマンス:300体のNPCを60 FPSで動かす

ABPでは、特にルートモーションに依存する場合、アニメーション評価がゲームスレッドに制約され、大規模なスケールが厳しく制限されていた。UAFは、ゲームスレッドとのやり取りを最小化する設計、で優れた並列処理が可能に。
開発の最終的な目標は、ゲームスレッドとのやり取りを排除すること

また、UAFはCPUキャッシュの活用方法が大幅に改善
モバイルデバイスからハイエンドまで、シングルスレッドのパフォーマンスも強化される

驚異的な実証例『The Witcher 4』のUnreal Engine 5テクニカルデモ

デモのマーケットシーン(5:43あたり)では、300体以上のNPCが、Control Rig、Look At IK、モーションマッチングなど、すべての機能を備えた状態で、60 FPSで動作
パーティクルシステムじゃないし、GPU頂点アニメーション(事前にベイクして軽量化できる)でもなく、それぞれががっつりインタラクションしあうキャラクターである

見えてなくてもサボってない
画面外でもオクルージョンされていてもアニメーションを続けている(相互作用のためにはルートモーションによる移動の考慮が必要)

よっしー
よっしー

スゴー

2. ルートモーションの制限解除と自由なワープ・ブレンド

パフォーマンス上の課題があったがUAFで抜本的に改善。

カプセル駆動モーション、アニメーションデータ、シーケンサーなど、ソースに関係なく、ルートモーションがグラフ内を流れ、自由にワープ(変形)やブレンドが可能になった。これは歴史的に不可能だった機能統合

物理的なインタラクションが実際に効果的に機能することが確認できた
2人以上のNPC間のやりとりを可能にする次のステップとして、2人がすれ違いざまに挨拶するPose Serchの例を用意した(27:40)

3. ワークフローの革命:「C++ネイティブ化」の終焉

従来の課題: ABPのグラフ実行が遅すぎる場合、パフォーマンス向上のために手動でC++に変換する(ネイティブ化)必要あり。
エンジニアしか触れなくなる。

UAFではパフォーマンスが抜本的に改善されたため、ネイティブ化は廃止され、不要
最終リリースまでアーティストでも制御できる。

4. モジュール性と将来的な拡張機能

トレイトベースのアニメーションノード

データ駆動。
例えば、同期機能が不要なシーケンスプレイヤーノードには、その機能に関するメモリやCPUのオーバーヘッドはゼロ

上図は動画本編より引用

よっしー
よっしー

トレイト – Wikipedia ってなに?は素人は知らなくても困らないと思います

スケルトンファミリー

スケルトンとの結合を緩めて、より抽象度の高いレベルでスケルトンについて推論できるように
例えば、上半身、下半身、顔ごとの推論

これにより、ブレンドプロファイルなどのアセットの再利用が容易になりつつ、アセット固有の上書きも可能

よっしー
よっしー

「Advanced Locomotion Systemさようなら」的な作者の以前のつぶやきはこのあたりと密接かな?

Control Rig + State Tree + 新アニメーションデータI/F

Control Rigと、従来のステートマシンに代わるState Treeが、アニメーションランタイムの残りの部分とファーストクラス・シチズンとして統合される

よっしー
よっしー

ビヘイビアツリー廃止っぽい雰囲気ですが、ステートマシンもですか?
State Treeの勉強は重要そうですね

新しいアニメーションデータインターフェースにより、プログラマーはアニメーショングラフをコードを通じて完全に注入することが可能になり、文脈に応じたアニメーション設定を柔軟に行える

予定

UAFは現在、UE5.6で実験的機能として提供されている
今後はアーティストのワークフロー改善や、レイヤリングといったコアツールの拡充に注力

Game Animation Sample Project

このデモの準備でUE5.6では更新できてない
UE5.7では帰ってくる(更新される)

(将来の)Animation BlueprintだけでなくUAFで、今回の『The Witcher 4』技術デモで見せた内容の多くを例示する

よっしー
よっしー

こいつは凄いことになりそうですね

参考

Unreal Animation Framework (UAF) に関するよくある質問 |Epic デベロッパー コミュニティ

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